【1】もしかして私、不妊かも? その気づきが不妊治療を考え始めるタイミング

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結婚してしばらくすると、「そろそろ子どもが欲しいな」と思うのは自然な流れですよね。でも、なかなか妊娠に至らないと、不安や疑問、そして焦りを感じることもあるかもしれません。

妊娠や出産には適切なタイミングがあり、それを逃してしまうと難易度が上がることがあります。しかし、年齢的にまだ若く健康に問題がなければ、「私が不妊かもしれない」という考えはなかなか浮かばないものです。

実際、自分が不妊かもしれないと気付くことができなければ、不妊治療に向けて動き出すこともできません。そのため、「気付き」はとても大切な第一歩なのです。

今回は、5年間にわたる不妊治療を経験した私自身の体験を交えながら、不妊治療を考え始めたきっかけや、不妊の可能性に気づくことの大切さについてお話ししたいと思います。

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結婚3年目、突然浮かんだ「不妊」への疑問

結婚当初、私は20代後半でした。子どもが欲しいという気持ちはどこかにあったものの、急ぐ必要はないと考えていましたし、「そのうち自然に授かるだろう」とも思っていました。妊活について積極的に考えたこともなく、日々の生活の中で子どもがいないことに対する焦りも感じていませんでした。

ところが、結婚して3年が経った頃、たまたま見たテレビ番組で「不妊」をテーマにした内容が放送されていました。その中で「妊娠を希望する夫婦が1年以上避妊をせずに妊娠に至らない場合、不妊の可能性がある」という言葉が耳に残りました。その瞬間、「あれ、もしかして私も当てはまるんじゃないだろうか?」と心の中で不安な気持ちになったのを覚えています。

これまでの自分の状況を振り返ってみると、確かに結婚してからの3年間、特に避妊をしていなかったにも関わらず、「一度も妊娠の兆候がなかった」ということに改めて気が付きました。とはいえ、まだ年齢的には若いという思いもあり、生理に不順があったこともなく、健康面での問題を感じたこともありませんでした。そのため、「自分が不妊かもしれない」と考えることなんて、これまで一度もありませんでした。

それでも、テレビで聞いた言葉は私にとって大きな衝撃でした。

「不妊とは、妊娠を希望する健康な夫婦が避妊をせずに一定期間妊娠に至らない状態を指します。この『一定期間』は一般的に1年とされています。」
 ※「公益社団法人 日本産科婦人科学会」より引用

この定義を知ったとき、「もしかして私も不妊なのかな?」という疑念が、頭から離れなくなりました。それまでの私は、何の根拠もなく「自分はきっと大丈夫」と思い込んでいただけだったのです。

「まさか自分が」と思う反面、「でも可能性がゼロじゃないのかもしれない」と、これまでの楽観的な考えを少しずつ見直すようになりました。その日を境に、私の中で「妊活」や「不妊」という言葉が、他人事ではなく自分自身の問題として認識するようになっていきました。

婦人科受診には勇気が要る?

「もしかして不妊かもしれない」と疑念を抱いたものの、実際に婦人科を訪れるのは決して簡単なことではありませんでした。私自身、初めて婦人科を受診する際には相当な勇気が必要でした。「どんなことを聞かれるのだろう」「恥ずかしい思いをするかもしれない」といった不安でいっぱいになり、そのたびに躊躇して受診を先送りにしてしまったのを覚えています。

また、「自分が不妊症であるはずがない」という気持ちが強かったことも、婦人科の受診に二の足を踏んでいた理由の一つです。

そんな中、予期せぬ不正出血が起こり、それが婦人科受診のきっかけになりました。不正出血の原因を調べてもらったところ、ホルモンバランスの一時的な乱れによるもので、大事には至りませんでした。

しかし、不正出血の診察を受けるついでに、思い切って医師に「結婚して3年が経つのに妊娠しないのですが、これは普通のことなのでしょうか?」と相談してみることにしました。この機会を逃したら、次に婦人科を訪れるのはいつになるかわからない !そんな思いが私の背中を押してくれたのかも知れません。

医師の回答は、「不妊かどうかを判断するにはいくつかの検査が必要です。でも、まずは基礎体温を記録して、排卵のタイミングを意識してみましょう」というものでした。最初は拍子抜けするような簡単なアドバイスに思えましたが、振り返ってみると、その一歩が不妊治療のスタートとなったことは間違いありません。

婦人科を受診することは、多くの女性にとって心理的なハードルが高いものです。私自身もその一人でしたが、振り返ってみると「あの時もっと早く受診していれば」と思うことが少なくありません。早めに受診することは、後悔を減らし、未来の可能性を広げるための大切な一歩だと思うのです。

なぜ不妊に対する「気づき」が大事なのか?

不妊治療を始めてから、私は「時間」と「年齢」が妊娠においてとても大切なんだと痛感しました。妊娠や出産には時間的な制約があり、妊娠率は年齢とともに低下してくるというのは、今となっては周知の事実ですが、それに伴って治療の選択肢も少なくなっていくという現実があります。

私自身、治療を開始したのは30歳のときでした。比較的早い段階で気付けたおかげで、さまざまな治療方法を試すことができました。例えば、体外受精や人工授精といった選択肢だけでなく、生活習慣の改善や自然療法も試しながら、自分に合った治療を探す余裕がありました。

しかし、もしその「気付き」がもっと遅れていたらどうなっていたでしょうか。治療の選択肢が高度な生殖医療に限られてしまっていたかもしれません。

また、不妊治療には時間や年齢だけでなく、費用の問題も関わってきます。保険適用や助成金には年齢制限がある場合が多く、それに間に合わなければ治療費の負担がさらに大きくなる可能性があるのです。

だからこそ、少しでも「もしかして不妊かもしれない」と感じたときには、その感覚を無視することなく行動に移すことが大切になってきます。その行動とは、婦人科を受診して医師に相談することかもしれませんし、基礎体温を測り始めることや妊活について学び始めることで良いんです。どんな小さな一歩でも、それが未来の可能性を広げる大きな一歩に繋がるはずです。

※参考動画:【不妊治療】「妊娠まで平均6年超」 背景に“2つのためらい”

まとめ

妊娠・出産には年齢的な制約があるため、自然に妊娠することが難しい場合には、不妊治療について真剣に考える必要があります。しかし、「もしかして自分は不妊かもしれない」という不安や疑念を持たなければ、そもそも病院を受診しようという考えすら思い浮かばないかもしれません。

この記事を読んでいる方の中には、そうした漠然とした不安を抱いている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

「何もしない」ことで後悔を抱えるよりも、「一歩踏み出す」ことで新たな可能性が広がることもあります。

私の場合は、偶然目にしたテレビ番組の一言が、受診や不妊治療を始めるきっかけとなりました。この記事が、過去のわたしと同じように、あなたの「気づき」や「行動を起こすきっかけ」となれば幸いです。

「【2】不妊治療にはステップがある 治療の流れと私の体験談」に続きます

(執筆者:yuffy)