出産を控えたプレママさんたちが悩むことの一つが、「里帰りするかどうか」という問題です。
兄弟の有無や夫の仕事、両親の健康状態など、家庭の状況によってその選択は大きく変わります。私自身も第一子の長女を出産する際に悩みましたが、最終的には産後に里帰りすることを決めました。
結論から言うと、里帰りして良かったと感じていますが、実際にはメリットとデメリットもありました。今回は、私の里帰り実体験をもとに、里帰り出産の実態やそのメリット・デメリットをお伝えします。
産後の里帰りを決めた理由…無痛分娩がしたかった
妊娠が判明した当初、私の両親は大喜びでした。
待望の初孫だったため、生まれる前からおもちゃやベビーグッズを準備し、沐浴のために洗面台を新調するほど。里帰りも当然するんでしょ?といったムードです。
私は、里帰りははじめからしようと決めていました。その理由としては
①両親との関係が良好であること
②夫の仕事が忙しく、産後寝ずの育児に参加するのは難しそうであること
③初めての育児にワンオペで対応するのは自信がなかったこと
が挙げられます。
里帰りすることは決定事項だったものの、「いつ」里帰りするかは悩みました。産む前に里帰りして実家近くの病院で産むのか、こちらの自宅近くの病院で産むのか。悩んだ末に出した結論は、「自宅近くの病院で産んでから実家に帰る」でした。
理由は、「無痛分娩がしたかったから!」。筆者の住む場所は割と都会のため、無痛分娩を行っている病院がいくつかありましたが、実家がある市には無痛分娩を行う産婦人科は一つもありません。
小心者で痛みに弱い私は結婚する前から「子どもを産むなら無痛にする!」と決めていたので、出産後の里帰りという選択になりました。実家も自宅から高速を使って1時間半ほどだったということもあります。飛行機や新幹線の距離ならば、産む前から里帰りをしていたかもしれません。
里帰りへの準備
産んでからスムーズに里帰りできるように、出産前から以下の準備を行っていました。
・チャイルドシートの準備
・赤ちゃん用品の準備
・自分の荷物の準備
1.チャイルドシート
産後の退院後そのまま実家へ帰る予定だったので、臨月に入る少し前に購入して夫に取り付けてもらいました。実際に赤ちゃんを目の前にするとあたふたしてしまうので、使い方の予習も必要です。
2.赤ちゃん用品
おむつやおしりふき、ベビーソープや保湿剤、肌着やカバーオールなど、必要なものをスーツケースにまとめておきました。
3.自分の荷物
自分の衣服やスキンケア用品を赤ちゃん用品とは別のスーツケースに入れておきました。産褥期は1日中パジャマで過ごすので、マタニティパジャマ数枚と最低限の私服があれば十分でした。
里帰りの期間【1か月半】
里帰りをされる方の多くは、1か月検診を受けるため、里帰りを1か月で終えるという方が半数以上と言われています。
私が里帰りした期間は、1か月半でした。
里帰りから1か月後、赤ちゃんの1か月検診があったので、一度自宅のある市に戻りました。自宅にそのまま帰ることもできましたが、ちょうど12月で夫の仕事が忙しい時期だったため、年末の休みに入るまで2週間、里帰りを延長することに。実家は高速を使えばすぐに帰れる距離だったので、気軽に延長することができて、良かったと感じています。
里帰り中の生活【家族のサポート】
私の母は専業主婦だったため、全面的なサポートを受けることができ、非常にありがたかったです。以下のようなことを母にしてもらいました。
・食事、洗濯など家事全般
・沐浴
・夜泣き対応
- 家事全般について
家事は全て母にお願いしていました。「産後は無理しちゃいけない、後に響くから」と言われ、赤ちゃんの世話以外は寝て過ごすようにしました。食事についても「赤ちゃんのためだから!」と、毎食栄養バランスの取れた料理を作ってもらい、体の回復が早かったです。まさに、上げ膳据え膳でした。 - 沐浴
沐浴は意外と足腰を使うため、産後すぐの体にはきつかったです。母が赤ちゃんを洗面台で沐浴させ、その後、私が保湿をし、衣服を着させて授乳するという流れでした。 - 夜泣き対応
夜泣き対応では、母も一緒の部屋で寝て、赤ちゃんがなかなか寝ないときには母が抱っこを代わってくれました。細切れ睡眠が続く中、少しでも寝たいのに我が子が寝ないとき、母がまるで女神のように見えたことを覚えています。
余談ですが、父や母が赤ちゃんを抱っこしたりあやしたりする様子を見て、遠い昔に自分もこんな風に育てられたのだなと想像し、感慨深く感じました。大変な中育ててくれた両親に改めて感謝の気持ちを覚えました。
里帰り中の夫について
SNSでは、里帰り前に夫のために冷凍食品や作り置きを大量に準備する妻の投稿をよく目にしますが、私は全くそのようなことはしませんでした。
大人なので、どうにでもなるだろうと思いましたし、ある意味、一人で気ままに暮らすほうが夫にとっても良いのではないかと感じました。
その期間に、出生届や児童手当などの手続き関係は全て夫にお願いしてやってもらいました。
里帰り中は、毎日赤ちゃんの写真を送り、成長の様子をやり取りしました。
また、自宅から高速で1時間半の距離なので、週末に夫が実家に来て泊まり、日曜日に自宅に帰るという生活をしていました。仕事もある中で大変だったと思いますが、またとない新生児期を少しでも一緒に過ごすことができて良かったと感じています。
里帰り中の義理父母【女の子フィーバー】
里帰り中、1度義理父母が私の実家に来ました。
私の両親にとっては初孫だったのですが、義理父母にとっては数人目の孫なのでそこまでフィーバーはしないだろう、と踏んでいたのですが、その予想は大きく外れることに。
義理父母にとって長女は初の女の子の孫だったため、「今すぐ○○ちゃん(長女)に会いたい!」と言われ、実家に招待することになりました。
義理父母の自宅は私の実家まで4時間かかる遠方でしたが、車を飛ばして大張り切りでやってきました。可愛い可愛いと長女を抱っこし、写真を撮り、お寿司を食べて嵐のように帰っていきました。
娘を可愛がってくれるのは大変嬉しかったですが、まだ産後2週間しか経っていない頃だったので、帰った後どっと疲れたのを覚えています…。何人目だろうと、やはり孫は可愛いもののようです。
里帰りのメリット・デメリット
私が感じた里帰り出産のメリット・デメリットをまとめました。
メリット
1.家族のサポート
産後の体はとにかくしんどいです!そんな中、育児に集中できるようにサポートしてくれる家族の存在は非常にありがたかったです。栄養のある食事を作ってもらったことで体の早い回復にもつながりました。
2.赤ちゃんのケア
一人目の出産だと、自分の育児が「これで正しいの?」と不安を感じてしまいがちです。しかし、経験者がいると沐浴や抱っこ、寝かしつけも安心して行えました。
3.精神的な安心
産後は、「マタニティブルー」と言って精神的に落ち込みやすくなります。そんな中実家で過ごすことで、慣れた環境で心身ともにリラックスしやすくなります。私も母に話を聞いてもらうことでストレス発散になり、精神の安定につながったと感じました。
デメリット
1.夫と離れてしまう
里帰り中は、夫と別々に過ごすことになるため、精神的に寂しく感じることがありました。また、父親である夫が貴重な新生児期に赤ちゃんの成長を見られないことも難点です。
2.生活環境の変化
実家に帰ることで、慣れた自宅での生活から離れ、環境が変わることでストレスを感じる場合もあります。また、実家の生活リズムに合わせる必要があるため、自分のペースが取りづらいです。私の実家では犬を飼っていたため、せっかく赤ちゃんが寝てくれて自分も寝ようと思った早朝に犬の散歩に出ていく音で起きてしまうということもありました。
3.親世代との育児の常識の違い
サポートしてくれるのは非常にありがたいものの、親世代の子育てと現代の子育てでは常識が変わっている場合があります。里帰り中、母に「母乳にはおはぎがいいのよ!」と言われ、毎日手作りおはぎを何個も食べさせられていたのですが、後で調べると食べ過ぎはつまりの原因になるらしい、とのことでした。親も良かれと思っていろいろと教えてくれるのですが、常識のすり合わせをする必要があるかもしれません。
まとめ
私の里帰り体験から学んだことをまとめました。
色々ありましたが、長女が生まれたことでもう一度両親と1か月半もの間暮らしたことは私にとってとてもいい経験になりましたし、手厚いサポートを受けられて心から感謝しています。これから出産を控えた方や、里帰り出産を受け入れる側になる方の参考になれば幸いです。
(執筆者:AKKA)