なぜ?住宅・リフォーム価格はブラックボックスなのか

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注文住宅やリフォームの価格って、わかりにくいなあと思ったことありませんか。
今回は「なぜ住宅・リフォーム価格はブラックボックスなのか?」というテーマで書いてみます。

私は製造業で「資材の調達・コスト管理」と「製造・工事のプロセス管理」の仕事をしております。
なので、メーカーサイドからみた「価格の決定プロセス」を見てきております。
「何にいくらかかるのか」というのは、実務の点で分かっているのですが、
一般消費者が
「住宅をいくらで買うのか?」、その価格の受け止め方という点で、
いささか「腑に落ちない」ところがあります。

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注文住宅やリフォーム価格がわかりにくい理由とは

スーパーで肉や野菜を買うのに、「少しでも安いものを買おう」と目を光らせるのに、
「注文住宅」や「リフォーム」は「高いけど仕方ないよね」と
あまり深く考えて検討されていない、気がします。

住宅やリフォームがむずかしそうに見えるから?でしょうか。

住宅工事が、「キツイ・きたない・危険」の3Kの
イメージがあるから避けているのでしょうか。

住宅工事は「キツイ・きたない・危険」

確かにそういう側面があります。
また、「工事そのものについて」あまり詳しく知ろうとしない、
少なくともこれまでは知ろうとしなかった、
ということがあるかもしれません。

または、
見積りを「3つぐらい取れば」そこで価格の比較検討ができると
思っているのかもしれません。
しかし、「見積もり価格の比較」では、住宅価格のほんとうのところは
つかめません。

重要なところなので、何度でも強調して言いたいです。

「見積もり価格の比較」では、住宅価格の「ほんとうのところ」はつかめません。

このコラムでは、
その「ほんとうのところ」について、お伝えしたいと思います。

さきほど、工事現場の
「キツイ・きたない・危険」の3Kというイメージについて
お話しました。

それが「忌避のイメージ」、直視しない、
できるだけ「避けたい」ものに
なっていることは間違いありません。
「完成した住宅」の「見映え」とかデザインには興味があるが、
その過程には興味がない、とも言えます。

つまり、関心がないから「知識がない」ということなんですね。
●「知っているか、知らないか」
というのが非常に重要な問題です。

「住宅」は注文住宅でも建売住宅でも、「知っているか?知らないか?」で大きな差がつきます

しかし、ここで「考え方を転換して」
●「自分で調べて、自分で発注してみる」と
違った景色が見えるかもしれません。

考え方を転換してみる、ということです。

新築でもリノベーションでも、「自分で調べて、自分で発注してみる」と、違った景色が見える

これで、だいぶ前進します。
「住宅・リフォーム価格がブラックボックス」のように見えるのは
「知らないから」であり、
知識武装をすれば「自分で発注できる」わけです。

誤解のないように言っておきますが、これは「DIYをしてください」というのではありません。重要なのは「発注の仕方を知る」ということ。

工事は「専門業者」がやります。
単に発注の仕方を知る、ということなのです。

私がやっている「クラフトマン」というサイトには、
「一度家を建てたが、もう一度立て直したい」
という方が来訪されます。

「一度家を建てたが、もう一度立て直したい」の意味は?

これ?どういう意味ですかね?

つまり「家を建てたが、もう一度立て直したい」と
思うほど、不満が溜まっている、
と解釈できると思います。

これは「初めて家を建てる方」には
思い至ることのない境地かと思いますが、
「建て直したい」というからには、「次はこうすれば良い」という
考えがあるのではないかと思います。

家づくりは、
現場では「材料+技術」
トータルでは「設計・監理をうまくやる」
ことですから、

現場:「材料+技術」 トータル:「設計・監理をうまくやる」

発注者(施主)が、両者をうまくコントロールできれば、
問題ありません。

ここで、
事例をひとつ紹介します。

こちらの「浴室リフォーム」を見ていただければと
思います。
元が「昭和のタイル張りのお風呂」で
このようにキレイに仕上げたいとしましょう。

これは工事会社の目線では「3日で終わる工事」です。
しかし、工事の最中に何があるか分からないので、
+2日を増やして5日、月曜始まりで清掃まで含めて
土曜まで「6日~7日みてください」という説明になるかも
しれません。

写真のシステムバスは組み立て工事になりますので、
「目に見えているもの」はすべて「パッケージ化」されています。
現場でやることは、既存のお風呂の取り外しとはつり工事、
サイズ調整、給水・給湯・排水などの接続、電気・換気設備
などです。

営業マンがいると、間に入る人が増えます。
けっかとして「発注者との調整」という業務のコストも増えます。

営業:発注者との調整
現場:「材料+技術」
トータル:「設計・監理をうまくやる」

発注者:発注
現場:「監理(設計)+材料+技術」

次のように発注者が手を動かして、
「発注者と現場」に集約すると、無駄が減って、コストはだいぶ変わります。

工事の内容を理解して、
「発注」をうまくやれば、ブラックボックスになることはありません。

私の過去の動画「新築の建築原価 どう算出するのか?」
「わかりにくい注文住宅のコスト総解説」などを見ていただければ、
工事コストの成り立ちがよく分かるようになると思います。

ご参考になれば幸いです。

もし、この動画をご覧になって、
「注文住宅・リフォーム」に関するエピソードをお持ちの方がいたら、
是非この下の「コメント欄」から情報をお寄せください。

最後まで、記事をお読みいただきありがとうございます。
これからも「住宅・リフォームに役立つ」情報を発信していきますので、どうぞよろしくお願いいたします。