近年の物価高で、新築を購入するのはますますハードルが高くなっています。一方で、2030~2040年にかけては「家あまり」が加速し、築年数の古い物件が市場に多く出回ると予想されています。特に、現在75歳以上の「団塊の世代」は持ち家率が85%以上と高いものの、その子世代である40代後半~50代の就職氷河期世代は持ち家率50%以下。このギャップにより、空き家問題は今後さらに深刻化するでしょう。
しかし、誰も住まなくなった家は急速に劣化してしまいます。一方で、中古マンションなど適切に管理された空き室は、リフォームすれば長く快適に住むことが可能です。問題は、「どうやって安く、効率よくリフォームするか」。一般的に業者に依頼すると高額になりがちですが、「クラフトマン方式」(職人に直接発注し、進捗を管理する方式)を活用すれば、コストを抑えつつ満足度の高い仕上がりが期待できます。
地方では「安く買ってリフォームし、賃貸に出す」という投資スタイルが難しくなりつつあります。それならば、気に入った物件を自分で住めるようにリノベーションするのも一つの選択肢です。本記事では、古家をコストを抑えて便利な間取りに変え、快適な住空間に仕上げる方法をご紹介します!
「クラフトマン方式」で無駄なコストを抑えたリノベーションを
住宅業界には大きな情報格差があり、知識の有無で注文住宅やリノベーションのコストに大きな差が生じます。理想の住まいを実現するには、施工者との認識をすり合わせることが不可欠ですが、その過程で多くのコミュニケーションギャップが生まれがちです。

実は、建築コストの多くは、
- 施主と施工者のコミュニケーション
- 施工の段取りや調整
にかかるものです。
「発注者が細かい要望を伝えきれず、施工者もうまく対応できない」という状況は、最もコストが膨らむ原因になります。大手住宅メーカーなら細かいニーズにも対応してくれますが、その分コストも高くなります。
そこで注目されるのが「クラフトマン方式」。専用ツールを活用することで、施工者とのコミュニケーション方法や施工の流れを把握し、無駄を削減します。結果として、施工者が最短ルートで作業を進められるようになり、コストの事前シミュレーションも可能に。時間と費用のムダを省きながら、効率的なリノベーションを実現できるのです。
今回取り上げる物件は【東京都足立区】の戸建て賃貸住宅
今回取り上げるのは、不動産投資サイト「楽待」で見つけた東京都日野市にある、以下の物件です。


- 所在地:東京都足立区六木3
- 販売価格:2950万円
- 表面利回り:6.50%
- 建物構造:木造
- 築年月:2010年(築15年)
- 建物面積:95.43㎡
- 土地面積:109.78㎡
- 土地権利:所有権
この物件のメリット・デメリット
この物件のメリットとデメリットをまとめました。
デメリットはいくつかありますが、築浅で駐車場付きの足立区の物件ですので、リノベーションの費用を抑えることができれば、コスパが良い物件であると言えるでしょう。
この物件に適したリノベーションのやり方は?
この物件によさそうなリノベーションのやり方は、以下のようなものが挙げられます。
では、この物件を実際にクラフトマン方式でリノベーションする際の具体的な手順を見ていきましょう。
【クラフトマン方式】の手配の流れ
- 不動産物件サイト「楽待」で中古物件を選ぶ
- クラフトマンの「【150工程】自動見積りシミュレーター」で価格を調べる
- 住宅ローンを検討する
- 「ツクリンク」で職人を探す
- 職人と打ち合わせをする
- 工事を手配し、仕上がりの品質とスケジュールを管理する
この流れを押さえれば、スムーズにリノベーションを進めることができます。
手順1:不動産物件サイト「楽待」で中古物件を選ぶ
まずは、不動産物件サイト 「楽待」(https://www.rakumachi.jp/) を使って、リノベーションに適した中古物件を探します。「楽待」は、全国の不動産会社とネットワークを構築し、特許取得の独自メールサービスを活用して 非公開物件を紹介しているのが特徴です。

検索の流れは以下のとおりです。
- 左上の「収益物件を探す」をクリック
- 価格「4000万円以下」、地域「東京都内」、物件種別「戸建賃貸」「賃貸併用住宅」などの条件で検索
手順2:クラフトマンの「150工程自動見積りシミュレーター」で工事価格の概算を調べる
次に、リノベーションにかかる 工事費用の概算 を調べます。こちらにはクラフトマンの「【150工程】自動見積りシミュレーター」 を活用します。
●クラフトマン 自動見積りシミュレーター
https://www.craftsman.fun/simulation1/
このシミュレーターを使うことで、簡単に おおよその工事費用を算出できます。今回は内装(天井・階段・床・造作材・クロス張り)と水回り(住宅設備工事)、外構をリノベーションすると想定してみましょう。
今回の東京都足立区の戸建ては、土地面積が109.78㎡とあるので、シュミレーターの「敷地面積(㎡)の欄に109.78と入力」します。すると、建ぺい率と容積率から「建築面積(ほぼ1Fの面積)」と「延べ床面積」が自動計算されます。
ここでは、「延べ床面積」のみ手で上書きします。建物面積が95.43㎡とありますが、これは延べ床面積を指しますので、シミュレーターの「延べ床面積(㎡)の欄に95.43と上書き入力」します

続いて、この状態で下にスクロールし、I.内装工事(天井・階段・床・造作材、クロス張り)の箇所を見ると、次のように表示されます。
ここには「延べ床面積:95.43㎡」に対する材料費・施工手間・現場管理費の合計金額が算出されます。

内装工事の合計金額は、1,405,381円になりました。
さらに、K.住宅設備工事のところを見ると、以下のように表示されます。

住宅設備工事の合計費用は、2,175,000円になりました。
内装工事費用+住宅設備工事費用の合計金額は、3,580,381円になりました。
!注意点!
- 実際の工事費用は発注内容や設備のグレードによって変動する可能性があります。
- より正確な見積もりを得るには、職人との打ち合わせが必要です。
- 「500万円以上の工事(材料費を含む)」は特定工事と言われ「建設業許可」が必要な工事となります。一人親方(個人事業主)では500万円以上の工事は受注できないので建設業の許可を持った会社が含まれている必要があります。
- また、工事のなかでは「電気工事」は資格を持った人が施工する必要があり、水道工事は自治体が指定した業者を使う必要があります。
- 2025年4月の建築基準法の改正で、建物の主要構造部(壁、柱、床、はり、屋根、階段)のいずれかに対して過半の改修をする場合は、建築確認手続きが必要になるようです。場合によっては、最寄りの自治体にご相談ください。
以下のステップ(手順4)では、リノベーション工事を依頼する職人や業者を選んでいくわけですが、職人たちと詳細な打ち合わせを行い、工事の具体的な内容を詰めていきます。
手順3:住宅ローンを検討する
物件の販売価格が3000万円、リノベーション費用が220万円として、3220万円を借り入れる計算とします。
ローンの計算にはSUUMOの「住宅ローン 支払額シミュレーション」を使用します。
- 借り入れ金額:3220万円
- 金利:2%
- 返済期間:20年
算出結果は、
- 毎月の支払額:16.3万円(ボーナス払いなし)
となりました。
手順4:「ツクリンク」で職人を探す
次に、リノベーション工事を依頼する職人や業者を探します。今回は、建設業界向けのマッチングサイト「ツクリンク」を利用します。
ツクリンク公式サイト
https://tsukulink.net/

ツクリンクでは、会員登録をしなくても職人を探すことが可能です。 手順は以下のとおり。
- メニューバー上の「協力業者募集」をクリック
- 地域で「東京」を選択
- 工事種別で「内装仕上工事業」をチェック
- 表示された業者の中から、いくつかをピックアップ
今回のシミュレーションでは、以下の3者に見積もりを依頼してみます。
- A社(工事会社)
- Bさん(一人親方/個人事業主)
- Cさん(一人親方/個人事業主)
次に職人の中から発注先を選びます。
手順5:「ツクリンク」で見つけた職人から相見積もりを取る
リノベーション工事の発注では、通常 「発注者 → リフォーム業者 → 工事会社 → 工事職人」 という流れになりますが、
クラフトマン方式では「発注者 → 工事職人」 となるため、
金額やスケジュールの調整がしやすく、柔軟な対応が可能 なのが大きなメリットです。
これは 発注者・職人の双方にとってメリットがある ため、見積もりの際にしっかり伝えておきましょう。
◯相見積もりの際に確認する4つのポイント
職人に見積もりを依頼する際は、以下の4つの点を確認しましょう。
- これまでの内装工事の経験(件数 or 年数)
- 工事期間は何日かかるか?
- 廃材処分の対応は可能か?
- 建材の仕入れルートはあるか?
職人とは 「業務委託契約」 での発注となるため、特に 「何日かかって、いくらかかるのか?」 を明確に把握することが重要です。
相見積もりを取ったうえで、最も条件に合う職人を選びます。
クラフトマン方式のメリット・デメリット
クラフトマン方式は、発注者が直接職人と契約し、リフォームを進める方法です。コストを抑えられ、自由度が高い一方で、職人とのやり取りや工事管理が重要になります。それぞれのポイントを詳しく見ていきましょう。
メリット
【コストを抑えられる】
- 一般的なリフォームでは、「発注者 → リフォーム業者 → 工事会社 → 職人」といった流れになるため、中間マージンが発生
- クラフトマン方式では「発注者 → 職人」と直接契約するため、余計なコストを削減できる
【スケジュールの柔軟性】
- 職人と直接やり取りできるため、リフォームの進行を自分の都合に合わせやすい
- 工程を細かく調整できるので、追加工事や修正も比較的スムーズ
【施工内容の自由度が高い】
- 自分の希望をダイレクトに伝えられるため、細かい仕様変更が可能
- 既製品ではなく、オーダーメイドの仕上がりにこだわることもできる
デメリットと対策
【職人と意思疎通が難しい場合がある】
施工ミスや仕上がりのズレを防ぐため、以下のポイントを意識しましょう。
- 要望は具体的に伝える(スケッチや建材の銘柄を事前に用意)
- 施工実績を確認する(過去の施工写真を見せてもらう)
- その場で疑問を解消する(不明点は遠慮せず質問)
【工事管理を自分で行う必要がある】
工事の進行や品質チェックも発注者の役割になります。以下のポイントにも注意しましょう。
- 工事スケジュールを職人と共有(工程をしっかり確認)
- 支払い条件を明確に(可能なら一部前払いで信頼関係を築く)
- 必要ならクラフトマンのサポートを活用(管理をスムーズに進める)
まとめ
中古住宅を賢く活用し、コストを抑えて快適な住空間を手に入れるには、リノベーションの工夫が重要です。特に「クラフトマン方式」を活用すれば、職人と直接やり取りしながら、無駄なコストを省いた効率的なリフォームが可能になります。本記事で紹介した方法を参考に、適切な物件選びと計画的なリノベーションを進め、理想の住まいを実現しましょう。
(執筆者:AKKA)
(企画・構成:CraftLife)
※本記事は、リノベーションのコスト・シミュレーションおよび「クラフトマン方式」による発注スキルの向上を主題としたもので、物件の購入を勧めるものではありません。また、CraftLifeでは不動産の仲介はいたしません。
※本記事で紹介しているサービスおよび付随する画像は、各社および団体の登録商標または各社に帰属する権利です。
※本記事の利用・活用によって生じたいかなる係争や損害に対して、本サイトは一切責任を負いません。