(再掲載:2025年1月)
「子育て支援」と聞くと、給付金を真っ先に思い浮かべる人も多いかも知れませんが、実は給付金以外にも子育てをサポートしてくれる国や自治体の取り組みはたくさんあります!
医療、保育、教育、施設において、多くのサポート制度があることをご存知でしょうか?中にはあなたがご存知なかった支援策もあるかもしれません。
この記事では、給付金以外の国や自治体の子育て支援策についてご紹介するとともに、2025年最新の情報もご紹介します!
子育て世帯が利用できる国や自治体の支援サービスとは?
子育て支援は、少子化が進む現代社会において、家庭を支えるための重要な取り組みといえます。国や自治体では、子育て世帯の負担軽減を図るため、給付金以外にもさまざまな支援策を用意してくれています。
以下は、国や自治体で受けられる子育て支援サービスを表にまとめたものです。
カテゴリ | 支援内容 |
教育・保育サービス | ●認定こども園:0歳から5歳まで対象、幼稚園と保育所の機能を併せ持つ施設 ●地域型保育:0歳から2歳対象の少人数保育サービス ●幼稚園・保育所:従来の教育・保育施設 ●放課後児童クラブ:就労家庭の小学生対象、放課後の居場所づくり |
経済的支援 | ●児童手当:0歳から高校生までの子どもがいる家庭への金銭支給 ●医療費助成:子どもの医療費軽減制度 ●幼児教育・保育の無償化:3〜5歳の認定こども園、幼稚園、保育所利用料の無償化 |
健康・医療支援 | ●乳児家庭全戸訪問:生後4か月までの乳児がいる全家庭訪問 ●妊婦健康診査:妊婦の健康診断実施 ●予防接種の無料提供 |
相談・支援サービス | ●利用者支援:子育て家庭のニーズに応じた相談や情報提供 ●地域子育て支援拠点:親子交流の場や子育て相談提供 ●養育支援訪問:特に支援が必要な家庭への訪問・指導・助言 |
一時的な保育 サービス | ●一時預かり:急用や短期パートタイム就労、リフレッシュ目的の預かり ●病児保育:病気や病後の子どもを預かるサービス ●ファミリー・サポート・センター:預かり援助を受けたい人と行いたい人のマッチング |
こんなにたくさんの支援策があったことをご存知でしたか?どんな支援策があるのか、知っていれば活用の選択肢が増えますね!
実際には地域ごとに利用できるサービスが異なることもあるため、詳細は各自治体に確認してみてくださいね。
以下では、これらの給付金以外の支援制度について、もう少し詳しくみていきます。
教育・保育サービスにはどんなものがある?
子どもの成長を支える教育・保育サービスには、さまざまな種類があります。ここではそれぞれの特徴や利用条件をまとめました。
認定こども園
【どんな施設?】
認定こども園は、幼稚園と保育園の特徴を合わせ持った施設です。子どもたちの遊びや学び、生活を通して成長を支える場所で、教育と保育の両方を受けることができます。朝早くから夕方までの長時間利用も、半日だけの短時間利用も可能で、子どもの年齢に合わせた活動や行事を行っています。働いている親も、働いていない親も、子どもを通わせることができるのが特徴です。それぞれの地域や家族の状況に合わせて、さまざまな形の施設があるので、家族のニーズに合わせて選ぶことができます。
【どんな人が利用できる?】
● 0歳から小学校入学前の子どもとその家族
● 共働き家庭でも、専業主婦(主夫)家庭でも利用可能
地域型保育事業
【どんな施設?】
地域型保育事業は、0〜2歳を対象とした市町村が認める小規模な保育サービスです。待機児童の問題を解決し、地域の多様な保育ニーズに応えることを目的としています。
地域型保育は大きく4つの種類に分かれますが、保育料は認可保育園と同じく、家庭の収入に応じて決まり、直接施設に支払います。入園には、保育課に申請する必要があります。
【どんな人が利用できる?】
● 0歳から小学校入学前の子どもとその家族
● 共働き家庭や様々な保育ニーズを持つ家庭
幼稚園・保育所
【幼稚園】
文部科学省所管の学校教育施設で、小学校以降の教育の基礎となる幼児期の教育を行います。対象となる年齢は満3歳から小学校就学前です。
【保育所】
厚生労働省所管の児童福祉施設で、保護者の事情で家庭での保育ができない乳幼児を預かります。対象となる年齢は0歳から小学校就学前です。
保育所には、厚生労働省が定めた基準を満たし、都道府県知事や市区町村長から認可を受けた「認可保育所」と、認可を受けていない「認可外保育所」があります。
保育園は世帯年収が高いと保育料も高くなりますが、幼稚園は世帯年収とは関係なく一律です。 ただし、3歳以上の保育料に関しては『幼児教育・保育の無償化』の制度によって料金が発生しません。
放課後児童クラブ
【どんな施設?】
放課後児童クラブは、小学生の子どもたちが学校の授業が終わった後に安全に過ごせる場所を提供する事業です。
地域によって、利用料金や開設時間、サービス内容は少しずつ異なりますが、子どもたちの安全と健やかな成長を支える重要な場所となっています。
【どんな人が利用できる?】
● 小学校に通う児童で、放課後や長期休暇に安全に過ごす場所を必要とする子ども
● 親が共働きで、放課後に子どもの見守りが必要な家庭の子ども
● 親が仕事をしているなどの理由で、学校終了後に帰宅が困難な子ども
健康・医療支援サービスにはどんなものがある?
国や自治体では、子どもと家庭の健康を守るためにさまざまな医療支援や健康サービスを提供してくれています。安心して育児を進められるよう、必要なサービスを活用していきましょう。
医療費助成
【どんな制度?】
子どもが病院で受診した際の医療費(診察料や入院費用)を、自治体が一部または全額を助成する制度です。子育て家庭の経済的な負担を軽減し、子どもたちが安心して必要な医療を受けられるようにすることが目的です。自治体によっては 通院・入院費用を軽減したり、完全無料になることもあります。
【対象は?】
● 主に乳幼児から中学生までの子どもが対象です(ただし、対象年齢や助成内容は自治体によって異なります)
● 助成を受けるには、居住する自治体での手続きが必要です
乳児家庭全戸訪問
【どんな支援サービス?】
保健師や助産師などの専門スタッフが家庭を訪問するサービスです。主に赤ちゃんの発育や健康状態のチェック、赤ちゃんの体重測定の実施、育児に関する相談対応や情報提供、母親のメンタルヘルスケア、必要に応じて地域の子育て支援サービスを紹介などを行っており、すべての対象家庭に無料で提供されます。
【対象は?】
生後4か月までの赤ちゃんがいるすべての家庭が対象
妊婦健康診査
【どんな支援サービス?】
妊婦健康診査は、妊娠中の女性の健康と赤ちゃんの成長を定期的に確認するための医療検査サービスです。通常、妊娠中は14回程度の健診が推奨されており、これらの健診において、母体の健康状態(体重、血圧、尿検査など)や、赤ちゃんの成長と発育(超音波検査)の確認が行われます。また、血液検査(貧血、感染症、血糖値など)や赤ちゃんの位置や心拍数の確認も実施されます。これらの検査を通じて、妊婦と赤ちゃんの健康を守り、異常の早期発見や適切な対応が可能になります。さらに、助産師や医師から妊娠中の生活や栄養に関するアドバイスを受けることもできます。多くの自治体が、これらの検査の費用を一部または全額助成しています。
【対象は?】
妊娠中の女性
※費用助成や具体的な健診内容は自治体によって異なるため、地域の保健センターや担当窓口での確認が必要です。
予防接種の無料提供
【どんな支援サービス?】
予防接種の無料提供は、国や自治体が実施する定期接種として行われるサービスです。このサービスでは、対象期間内であれば無料で予防接種が可能であり、市区町村が主体となって実施されます。さらに、長期療養などの理由で定期接種の年齢を超えた場合には、申請により無料接種が可能な場合があります。
【対象は?】
特定の年齢や条件に該当する子ども
一時的な保育サービスにはどんなものがある?
急な用事やリフレッシュが必要なときに利用できる、保育サービスをご存知ですか?近くに知人や親戚が居ないかたの強い味方になってくれます。
一時預かり
【どんなサービス?】
子どもの一時預かりとは、認定こども園、保育園、幼稚園などの保育施設で行う一時的な保育サービスのことで、利用には事前の登録と予約が必要となります。
また以下の点に注意が必要です。
● 利用回数に制限あり(例:1ヶ月14日以内、週3回まで)
● 4-5月や園行事の日は利用できないことが多い
● 受入年齢は施設により異なる(生後2ヶ月~2歳以上など)
【どんな人が利用できる?】
このサービスを利用できるのは、保護者が一時的に子どもを見ることができない状況にある方々です。具体的には、仕事、病気、入院、冠婚葬祭への出席、またはリフレッシュのために子どもを預けたい保護者が対象となっています。
病児保育
【病児保育とは?】
病気やけがで保育所に通えない子どもを、医療機関や保育所の専用スペースで一時的に預かり、保育と看護を行うサービスです。
【どんな人が利用できる?】
保護者が仕事や急用で家庭での看護が難しい場合に利用できるサービスです。対象は主に乳幼児から小学生で、子どもの年齢や病状により利用条件が異なることがあります。事前に地域の病児保育施設に登録し、利用方法を確認しておくことが必要です。
ファミリー・サポート・センター
【ファミサポとは?】
ファミリー・サポート・センターは、地域の中で育児を助け合うための施設です。ここでは、子どもの送迎や預かりなど、子育てに関するサポートを希望する人(依頼会員)と、そのサポートを提供したい人(提供会員)が会員として登録し、相互に援助活動(有償)を行います。このセンターは市区町村やその委託を受けた団体が運営しており、会員同士の連絡や調整、提供会員のための講習会や交流会なども行っています。
【どんな人が利用できる?】
子育て中のすべての家庭が利用できます。特に以下のような方におすすめです。
● 仕事で保育園の送迎が必要な方
● 急な用事で子どもを預けたい方
● 育児の息抜きが必要な方
相談・支援サービスにはどんなものがある?
子育てや家庭の悩みに寄り添ってくれるのが、「利用者支援サービス」です。
利用者支援サービス
【どんなサービス】
利用者支援とは 子育て家庭や妊産婦が必要な支援やサービスを適切に選び、利用できるようサポートする制度です。
【サービス内容は?】
● 子育て家庭や妊産婦の悩みや困りごとを解決するためのサポートを提供します。
● 幼稚園や保育所などの施設、地域の子育て支援事業から必要な支援を選んで利用できるよう、情報提供や支援の紹介を行います。
● 地域子育て支援拠点や行政窓口などで、利用者支援専門員が個別のニーズに対応します。
● 子育て支援に関する関係機関とのネットワークを形成し、地域の課題に合わせて必要な子育て支援事業の開発を進めます。これにより、子育てしやすい地域づくりを目指します。
【2025年】子育て支援は更にパワーアップする!?
2025年に向けて、日本の子育て支援はさらにパワーアップする予定です!以下では、少子化対策として、政府が進めるさまざまな施策について一部をご紹介します。
保育サービスをもっと使いやすく!
働く親にとって最大の課題の一つである保育サービスが大幅に拡充されます!
保育園の受け入れ枠を2024年度末までに14万人分増やし、待機児童を減らします。また、新しく始まる「こども誰でも通園制度(仮称)」では、働いていなくても時間単位で保育サービスを利用可能に。病児保育も改善され、当日キャンセル対応など、柔軟な仕組みが導入されます。この制度は、専業主婦(夫)やフリーランスの家庭にも対応しています。
※参考:誰でも通園制度の紹介動画
保育士さんをもっと増やします!
現在、保育士不足が問題となっています。それを解消するために、「保育士キャリアアドバイザー(保育士の転職やキャリア形成をサポートする仕事)」が導入され、保育現場を一度離れた人が再び現場に戻れるようサポートする仕組みを強化します!
さらに、学生向けの修学資金貸付制度が拡充され、保育士を目指す若い世代の負担を軽減します。
子育てしやすい社会を作ります!
子育てには育児休業を取りやすい職場環境づくりも大切です。
そこで保育だけでなく、育児休業を取得しやすくする仕組み作りや、産前・産後のケアについてもサポート体制が強化されます。男性も女性も育児休暇を取りやすい職場づくり、働き方改革を進めます。
これらの施策をもって、2025年の日本の子育て支援が、さらに加速することに期待が高まります。
まとめ
子育て支援は給付金だけではありません!国や自治体にはさまざまなサポート制度が存在し、これらの情報を知ることが活用の第一歩となります。
本記事では、子育て家庭を支える様々な支援サービスについてご紹介しました。
2025年に向けて、子育て支援制度はさらに強化し、より使いやすい仕組みへと進化していきます!保育サービス、育児休業支援、職場環境の改善など、社会全体で子育てを支える取り組みが加速していきます。
これからも子育て支援の最新情報に注目し、利用可能なサポートを積極的に活用することで、子育ての負担を少しでも軽減していきましょう!
(執筆者:yuffy)