子どもが生まれても共働きを続けることが一般的になった現代。筆者も第一子を出産後、フルタイムで小学校教諭として復帰しました。
夫とも協力し、丸3年間フルタイム共働きで仕事に育児に奮闘しましたが、最終的には退職を選びました。私が3年間の共働き×育児の生活を経験したうえで考えたことをお伝えします。
第一子では当たり前に育児休暇を取得
27歳で結婚し、第一子を妊娠したのは30歳の時。
夫婦の時間も十分もち、ある程度仕事の経験も積んだうえで待望の妊娠でした。つわりが酷く、授業をしたり課外活動の引率をしたりするのは辛いものがありましたが、周囲のサポートもあり、大きなトラブルもなく産休に入ることができました。
この頃、出産を機に退職するという話は私の周囲でもあまり聞きませんでしたし、せっかく頑張ってきた好きな仕事、子どもがいても続けるつもりでした。
当然育児休暇を取得することに。無事産休に入ってからは、仕事に行かなくても手当てが入ってくるありがたさを感じながら、友人に会ったり一人でカフェに行ったりしてのんびり過ごしました。長女を出産後は、実家に里帰りしたこともあり、体もスムーズに回復し、約1年半の育児休暇では存分に育児に没頭することができました。
復帰後の生活…とにかく時間がない!
楽しかった育児休暇も終わり、仕事復帰の時がやってきました。
我が家は実家、義実家ともに遠方のため、夫婦で協力してやっていくしかありません。後ろ髪を引かれる思いで、泣き叫ぶ1歳の娘を保育園に預け、8時前には出勤。
バタバタと仕事をこなし、17時に退勤。お迎え後は食事の支度、お風呂。寝かしつけをしたらあっという間に次の朝です。送り迎えや夕飯の支度は夫と50:50で分担していましたが、それでも日々ギリギリの生活。
特に困ったのは、娘が病気になった時です。サポートを頼める親族は近くにおらず、夫婦交代で休みを取って看病にあたりました。その間も仕事は溜まるばかり。次第に、自分の満足のいくように仕事をすることは難しくなっていきました。
心身の不調、娘の情緒不安定…退職を決意
復帰して初めの1年をなんとか完走したものの、すぐに新しい年度がやってきます。
経験年数も10年を超え、中堅と言われる世代になったので、今までになかった仕事が容赦なく降ってきます。自分の学級のことはもちろん、他の若手のフォロー、急な保護者対応…。定時である17時に退勤することは難しくなり、残業が増えました。
休みの日も残務に追われ、娘とのふれあいの時間も減っていきました。ある時、娘の保育園の担任から電話があり、「園で情緒不安定な様子が見られます」と。
これは親である私たちの責任だな、とひしひしと感じました。
丁度そのタイミングで二人目を授かったこともあり、復帰3年目にして退職を決意しました。
子育て中の働き方で思うこと
退職を決意したときは、「頑張ってきたのに、挫折してしまった」という忸怩たる思いがありました。
しかし、少し時間がたった今は、「これで良かったんだ」と思えています。3年間、夫婦二人三脚でフルタイム共働きを乗り越えたことはとても良い経験になりましたし、共働きの間は経済的な心配が全くありませんでした。
しかし、自分の心身や我が子の笑顔を犠牲にしてまでこの生活を続ける選択はできませんでした。子育てをしながら仕事を続けるというのは、並大抵のことではありません。
周りを見渡すと、共働きを続けている仲間たちは祖父母の万全のサポートがあることがほとんど。我が家の状況ではかなり厳しかったと思います。
とはいえ、子育てにはお金が必要です。今は、子どもを第一に考え、私が在宅で働けるよう勉強をしています。仕事を辞めたことは悔しかったけれど、人生は一本道ではありません。そのときそのときに合った最良の選択をしていくことが大切なのだと思っています。
(執筆者:AKKA)