「注文住宅」の相場と価格を知りたい?シミュレーションで坪単価をチェック!

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 最近、新しい住まいを考えている方々にとって、注文住宅の相場や価格は気になるポイントですよね。しかし、相場を知っても自分の予算内で実現可能か不安に感じることもあるでしょう。そんな方々におすすめなのが、シミュレーションを活用して坪単価をチェックすることです。シミュレーションを行うことで、具体的な価格を把握し、予算内で理想の注文住宅を実現する一歩に近づくことができます。

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注文住宅相場と価格の基礎知識

 注文住宅を建てる際には、相場や価格の把握が非常に重要です。ここでは、注文住宅の相場と価格についての基本的な知識を解説していきます。

相場と価格の違い

 まず、相場と価格の違いについて理解しておきましょう。相場は、市場での一般的な価格の範囲を指し、価格は実際に取引される金額です。注文住宅の相場を把握することで、適正な価格を見極める参考になります。
 注文住宅というのは、当然ですが「土地の相場+建築費の相場」になります。土地の相場について知っておいてほしいのは「路線価と公示価格」という言葉です。路線価は、路線(道路)に面する標準的な宅地の1平方メートル当たりの価額のことで、税金を計算する基準になるものです。3年に1回改訂され、「公示価格の約7割が路線価」という関係性があります。
 「建築費の相場」というのは、実はあってないようなものです。同じ「延べ床面積100㎡」も各社によって見積額は異なります。見積り価格が異なる要因は、リーズナブルな材料と設備を使ったローコスト住宅と、手間のかかった材料、グレードの高い設備、趣向を凝らした意匠との差、デザイン性や快適性の追求の度合いの違いとも言えます

注文住宅の価格形成要因

 次に、注文住宅の価格形成要因について考えてみましょう。住宅の価格は、土地の立地条件、建物の仕様や大きさ、施工業者の信頼度など様々な要素によって形成されます。

 これは公示地価を見ていただくと分かるように、1㎡あたり数千円の土地もあれば、1㎡あたり数百万円の土地もあり、この格差が決定的となります。単に地方と首都圏の差と言い切れるものではなく、郊外でも利便性が高く土地が高いところと、非常にリーズナブルな土地もあり一概には言えません。
 これら複数の要因を理解することで、価格の妥当性を判断することができます。

相場の見極め方

 相場を見極める方法も重要です。インターネットや不動産会社の情報を参考にすることで、地域や物件の特性に合った相場を把握することができます。また、実際に見積もりを取ることも大切です。さらに、近隣の住宅価格や競合物件の価格なども把握しておくと役立ちます。
 「土地の相場+建築費の相場」ということで、土地については価格と利便性のバランスを見て、建築費については、ハウスメーカーの言いなりになるのではなく、どういう家を望むか、どうすれば快適になるか、適切な間取りはどういうものか、設備は何にこだわって、何を標準品で済ますか、夫婦でよく考えて話し合うようにしましょう。

価格交渉のポイント

 次に、価格交渉のポイントを紹介します。建築業者との価格交渉では、建物の仕様や付帯サービスの内容などを柔軟に調整することがポイントです。必要な設備の取捨選択と、間取りの検討を入念に行いましょう。価格の安い標準品をうまく取り入れることもポイントです。
 また、複数の業者と比較検討する際に重要なことは「コミコミの総額」で比較することです。業者からの見積もりには「仮設工事費」「室内の照明やカーテンレール」「諸経費」「外構費」などが入っていないことがあります。あるいは「本体工事費一式」で「坪単価」を算出することで、安く見せかけているケースもあります。
 このような「見せかけ」の疑いがある場合は、「引き渡し後実際に住む場合、これ以外にかかるコストはありますか?」と聞いてみるのが良いかと思います。複数の業者から見積もりをもらった場合は、見積書の明細を目を皿のようにして見て、何が含まれていて何が含まれていないのか?比較してみましょう。

注文住宅の価格シミュレーション

 注文住宅を購入する際には、事前に価格のシミュレーションを行うことが重要です。ここでは、注文住宅の価格シミュレーションについて詳しく解説していきます。

シミュレーションのメリットと注意点

 注文住宅の価格シミュレーションには、様々なメリットがあります。まず、自分の希望条件に合わせてシミュレーションを行うことで、予算内で理想の住まいを見つけることができます。
 ここで大事なことは、希望を追求することによって、住宅仕様を複雑にしすぎないことです。工事の手間の数と建築費は正比例します。どういうデザインを取り入れると家族のモチベーションが上がるのか、妥協できない点はどこなのか、事前にしっかりと考えましょう。また、シミュレーション結果はあくまで参考値であり、実際の価格とは異なる場合もあることに注意が必要です。

坪単価の計算方法で気をつけるべきこと

 シミュレーションで重要なのが、坪単価の計算方法です。坪単価とは、建物の面積を土地の面積で割った値で、1坪(3.306㎡)あたりの価格を表します。坪単価を正確に計算することで、建物の価格をより具体的に把握することができます。
 ここで一番重要なのは、何が含まれていて何が含まれていないのか?という視点を持つことです。よくある間違いが「本体工事費一式」を「1坪(3.306㎡)」で割って、坪単価を算出してしまうことです。建築から引き渡しまでのプロセスには、「仮設工事費」「諸経費」がかかります。仮設工事とは、家の建築後にはなくなっているが、建築過程で必要な足場や仮囲い、安全管理や廃材処分費などのことを指します。引き渡し後に「室内の照明やカーテンレール」がついていなかった、などは笑えない話です。また、外構費も入っていないことがありますが、玄関周りの美装や植栽などが実際には必要です。そういった「コミコミの費用」も含めた総額で、坪単価は算出しましょう。

坪単価の「平均」は当てにならない?

 注文住宅の価格についての情報を集めていると「全国平均」とか「〇年度平均」とか言って「平均金額」の数字を目にすることがあるかと思います。「33坪で3000万円、坪単価で90万円」とかいう具合です。この場合の平均って、当てになるのでしょうか。私はまったく当てにならないと思います。

 よく言われることですが、勤労所得者の平均収入が470万円という数字があったとして、年収470万円の人がもっとも多いと言う人はいませんよね。統計上の中央値(もっとも人数が多い値)は年収200万円~300万円台だと思います。また、東京の新築マンションの平均価格が7500万円だったとしても、7500万円でマンションを買っている人が一番多いと思っている人はいません。実情は5000万円以下と1億円以上の2極化です。

 何が言いたいのかと言うと、「平均」で語ることにはまったく意味がなく、むしろ「誤解を増やす」ということなんです。2000万円以下で建てている人も多くいますし、4000万円以上をかけている人も多くいます。
 そういった平均の数字はまったく当てになりませんので、ご自身の地域の相場および住まいに求める機能やデザイン、設備について考えてみてください。それが理想の住宅への近道となります。

シミュレーションツールの活用法

 最後に、シミュレーションツールの活用法について紹介します。インターネット上には、注文住宅の価格シミュレーションを行うためのツールが多数存在します。
 ハウスメーカー各社による坪単価の違いは、構造・設計の違い、内装外装の材料、設備のグレード、快適性・耐震性の尺度の違い、デザイン性など総合的なものです。これらのツールを活用することも大事なのですが、自らが「住まいに求める価値」について考えてみてはどうでしょうか。それらをはっきりさせれば、あとは自分の予算や希望条件に合った住まいの価格を算出することができます。

「広さ・間取り」「デザイン」「耐震性」「耐久性」「断熱性」「快適性」─注文住宅の選び方と価格への影響

 注文住宅を選ぶ際には、様々な要素が価格に影響を与えます。ここでは、注文住宅を選ぶ際に考慮すべき要素とその価格への影響について解説します。

住宅メーカーの選定方法と価値の優先順位

 まず、住宅メーカーの選定方法について考えましょう。信頼性や実績、提供するサービスなどを比較検討しますが、あなたが「住まいに求める価値」とはどのようなものでしょうか。その「価値の優先順位」について考えてみてはいかがでしょうか。住宅を価値づける要素には「広さ・間取り」「デザイン」「耐震性」「耐久性」「断熱性」「快適性」があり、これらと「価格」のバランスを見るのが一般的です。

 「広さ・間取り」については、広ければ広いほど良いのではなく、家族構成によって適切なサイズというものがあるかと思います。「デザイン」というのは、結婚相手と同じで、良いと思うもの・自分の嗜好に合ったものに囲まれると、そこに安心感と快適性が生まれます。価値観が合わなくなった人と一緒に住み続けるもどかしさは、いまひとつデザインが気に入らない家に住むのと似ています。その意味で「デザイン(および周辺の環境)」は非常に重要な要素です。

 「耐震性」は地震国の日本にとっては重要な要素ですが、建築の予定地は過去に地震が発生した地域でしょうか。南海トラフや東海地域、関東の首都圏など、これから地震が発生しそうな地域では「耐震等級3」は必須かと思います。ちなみに耐震等級3は建築基準法が定める強度の1.5倍の地震にも耐えられる強さです。

 「耐久性」とは、大手住宅メーカーが「高くても長持ちする」というフレーズでもって訴求するキーワードです。「30年保証」がついていたり、「長期優良住宅」認定を受けていると安心材料のひとつではあります。ちなみに「住宅の耐久性を落とす」もっとも重要な要素は「湿気」ですので、住んでいる人が意識して「家の通気を良くする」ことを意識するだけで、耐久性は変わってきます。

 「断熱性」というのは「夏は涼しく、冬はあたたかい」を実現する尺度です。断熱等級6以上(Ua値0.46以上)は北海道仕様とも言われます。南国ではなくても、それくらいの断熱性は目指したいものです。「快適性」は、空気の良しあし、気密性の高さのことです。「断熱性」と「快適性」はコストとの連動性が高いので、性能を追求するとそれだけコスト高になります。

 自分の価値観と照らして、コストとの兼ね合いも考えながら、それらを最低限満たすような家づくりを進めていってください。

資金計画は「賃貸の月額家賃」を基準に

 次に、資金計画と価格の関係について考えてみましょう。予算内で注文住宅を建てるためには、事前に資金計画を立てることが必要です。収入や支出のバランスを考慮し、適切な予算を設定することで、無理のない価格設定が可能となります。

土地の条件と価格の関係

 土地の条件も価格に影響を与えます。立地条件や周辺環境、土地の形状などが価格に反映されます。また、地価の動向や土地の所有形態なども考慮する必要があります。適切な土地を選定することで、住宅の価格を抑えることができます。

設備や仕様の選択と価格への影響

 最後に、設備や仕様の選択が価格に与える影響について考えます。内装や外装、設備などの仕様を選択する際には、コストとのバランスを考慮する必要があります。高機能な設備や豪華な仕様を選択すると価格が上がりますが、自分のニーズに合った選択をすることで、無駄なコストを削減することができます。

まとめ

 記事を通じて、注文住宅の価格決定には様々な要素が関わることが明らかになりました。住宅メーカーの選定や土地の条件、設備仕様の選択が価格に大きな影響を与えます。資金計画を立てて予算を把握し、シミュレーションを活用して最適な価格を見極めましょう。また、価格交渉のポイントを押さえてコストを最適化することも重要です。これらの手法を用いて、予算内で理想の注文住宅を実現することが可能です。